法人向け不動産担保ローン「よくある質問Q&A」

法人向け不動産担保ローンについてよくある質問

Q. 法人向け不動産担保ローンの基本概要は?

A. 法人向け不動産担保ローンとは、会社や事業者が所有する不動産を担保に資金調達を行うローン商品です​。

自社所有のオフィスビルや工場、店舗、社宅用不動産などを担保に差し入れることで、事業資金を比較的有利な条件で借り入れることができます。

基本的な仕組み自体は個人向けと同様で、担保不動産の価値をもとに融資額が決まり、返済不能時にはその不動産が処分されるリスクがあります。

ただし法人の場合、融資された資金は事業活動に用いることが前提となります。

多くの銀行やノンバンクが法人・事業者向けの不動産担保ローン商品を用意しています​。

例えば、運転資金や設備投資資金として利用できるもの、あるいは不動産業者向けに物件仕入れ資金を融資する商品など、事業ニーズに合わせた多彩なラインナップがあります。

法人向けでは、個人より融資金額が大きくなる傾向があるため、審査も事業内容や業績を踏まえたものになりますが、担保を提供することで無担保よりも好条件で資金調達できる点は共通しています​。

Q. 事業資金調達としてどのように活用できますか?

A. 法人が不動産担保ローンを活用する主な目的は、事業資金の調達です。
具体的には次のような場面で利用されています。

運転資金の確保

売上入金と仕入支出のタイミング差による資金繰りを補うための運転資金として活用できます。

手元資金が不足しがちな成長企業や季節変動のある業種で、一時的にまとまった現金が必要な場合に役立ちます。

設備投資・事業拡大

新店舗の出店資金や工場・設備の増設など、事業拡大のための大口資金調達に利用できます。

不動産を担保にすることで、銀行からの設備資金ローンより柔軟な資金使途で借入できる場合があります。

借入額も大きく取りやすいので、大規模投資の資金源として適しています。

他の借入の借換え

事業で高金利の借入(ビジネスローンや手形貸付など)を抱えている場合、不動産担保ローンで一括借換えして金利負担を減らすケースがあります。

担保を提供することで金利が下がり、返済負担の軽減につながります。

納税資金・賞与資金

決算期の納税や、ボーナス支給など一時的に資金需要が増すタイミングでの資金調達にも利用できます。

担保があれば短期のつなぎ融資を受けやすくなります。

不動産の有効活用

自社ビルなど遊休不動産を担保に資金化し、事業資金に回すことで資産を有効活用できます。

例えば、所有する土地を担保に借入して新事業の原資に充てる、といった戦略も可能です。

このように、法人向け不動産担保ローンは資金用途の自由度が高く、事業運営上のさまざまな資金ニーズに応じて活用できます​。

特に銀行融資だけでは賄いきれない資金が必要な場合の有力な選択肢となります。

返済期間も長めに設定できるため、投資のリターンを見込みながら長期的な資金計画を立てることができます​。

例えば、新規事業の立ち上げ資金を不動産担保ローンで調達し、事業が軌道に乗った後の収益で長期返済していく、といった使い方も考えられます。

Q. 審査基準や必要書類は?(個人向けとの違い)

A. 法人向け不動産担保ローンの審査では、会社の信用力と担保不動産の価値の両面がチェックされます。
基本的な考え方は個人向けと同様ですが、違いとして事業の業績や計画が重視される点があります。

審査基準(法人向け)

まず会社の財務状況が見られ、直近の決算内容(売上高や利益、キャッシュフロー)、自己資本の厚み、借入金の状況などが総合的に判断されます。

赤字決算が続いている場合でも、担保価値が十分で将来の業績改善見込みがあれば融資してもらえるケースもありますが​、黒字経営であるに越したことはありません。

また代表者個人の信用も重要で、中小企業では代表者が連帯保証人となるのが一般的であるため、代表者個人の信用情報や資産状況もチェックされます。

事業計画や資金使途についてもヒアリングされ、借入後の返済原資(事業収益)が明確であることを示す必要があります。

必要書類(法人向け)

個人向けでは本人確認書類や収入証明、不動産の登記事項証明書などが必要でしたが、法人の場合はそれに加えて会社関連の書類を提出します​。

具体的には、会社の登記簿謄本(現在事項全部証明書)、印鑑証明書、直近数期分の決算書(貸借対照表・損益計算書・確定申告書別表など)​、法人税の納税証明書、事業計画書や資金使途を示す書類(設備投資なら見積書など)が求められることがあります。

加えて担保とする不動産に関する書類(登記簿謄本・固定資産税評価証明書・公図など)や、その不動産に既存の抵当権がある場合はその残高証明等も必要です​。

提出書類は個人向けより多くなりますが、事前に金融機関からリストが示されるので、それに沿って準備します。

個人向けとの主な違いは、審査で事業性評価が入る点と、提出書類が法人の決算書類中心に増える点です。

個人の場合は年収や勤続年数を重視しましたが、法人では事業の将来性や業界動向なども考慮されることがあります。

また、契約時には会社としての契約となるため、会社実印の押印や取締役会決議書(必要な場合)など社内手続きも伴います。代表者保証が求められる際は、代表者個人の印鑑証明書や収入・資産証明を追加提出することもあります。

審査期間は、提出書類が揃ってから1週間~数週間程度が一般的です。(財務内容の確認と不動産評価に時間を要するため)

個人向けに比べ少し時間がかかる印象ですが、ノンバンク系では迅速に仮審査結果を出してくれるところもあります。

Q. 金利や返済期間の詳細は?(法人向け特有のポイント)

A. 法人向け不動産担保ローンの金利と返済期間は、個人向けと大きく変わるわけではありませんが、一般に融資金額が大きくなる分だけ調整される傾向があります。

金利水準

多くの法人向け商品で提示される金利レンジは年2~9%程度が目安です。

信用力の高い企業や担保余力が十分ある場合、金利2~4%台の好条件が提示されることもあります。

一方、業績が不安定な場合やノンバンク利用の場合は5~9%台になることもあります​。

例えば前述のセゾンファンデックスでは変動金利2.90%~4.70%、固定金利4.5%~9.9%と案内されています​。

これは法人・個人向け共通の商品ですが、法人であってもこの範囲内で適用金利が決まるイメージです。

また、融資額が数億円規模になるケースでは、その企業固有の信用リスクを反映して個別審査で金利が決定されます。

銀行の場合、長期プライムレートや短期プライムレートに一定の上乗せをした利率になることが多いです。

ノンバンクでは固定金利で契約することもあります​。

返済期間

法人向けでも最長で20~30年程度の長期にわたる返済期間設定が可能です​。

もっとも、実際の借入では5年や10年といった中期スパンで設定されることも多く、これは借入目的によって様々です。

例えば運転資金目的なら3~5年での返済計画、設備投資なら10年程度、ビル購入資金など大型であれば20年超といった具合に、資金用途に見合った期間が設定されます。

法人の場合も完済時の代表者年齢など考慮されますが、会社は永続するものとの前提から個人ほど年齢制限は厳格ではありません。

ただし代表者保証がある場合、代表者の高齢化リスクは見られます。

法人向け特有のポイントとして、金利交渉や条件変更の柔軟性が挙げられます。

借入金額が大きいほど、金融機関と個別に金利交渉ができる余地があります。

また、期限前返済(繰上返済)の際の手数料条件なども事前に確認しましょう。

事業の状況に応じて途中で返済計画を変更する可能性もあるため、リスケジュール(条件変更)に応じてもらえるか、なども金融機関選びのポイントになります。

Q. 法人が利用するメリット・デメリットは?

A. 法人が不動産担保ローンを利用する場合のメリットとデメリットを説明します。

不動産担保ローンを利用するデメリット

大口資金を調達できる

不動産の価値次第では数億円規模の融資も受けられるため​、大きな事業資金ニーズに対応できます。

銀行から十分な融資を受けられない場合でも、担保を提供すれば必要資金を確保できる可能性があります。

無担保ローンより低金利

担保がある分、ビジネスローン(無担保の事業者向け融資)よりも金利が低く設定されるのが通常です​。

利息負担を減らせるため、資金コストを抑えて事業展開できます。

例えば無担保の事業者向けローン金利が年10~15%になるケースでも、不動産担保ローンなら5~8%程度に収まることも多いです。

融資ハードルが下がる

赤字決算や債務超過など財務状況が悪い場合でも、担保価値によっては融資が受けられる可能性があります​。

特にノンバンク系では「銀行で断られたが担保がある法人」に積極的に貸し出す商品も存在します​。

つまり、担保提供により信用力を補完でき、事業再建や立て直しの資金を調達できるチャンスが生まれます。

返済期間を長期に設定可能

資金の使い道によっては長期間での返済が認められるため、毎月の返済負担を軽減しつつ事業計画を遂行できます​。

設備投資など回収に時間がかかる案件でも、返済期間を長めに取ることでキャッシュフローに余裕を持たせられます。

企業は成長に伴い収益増が見込めるため、将来のキャッシュで返す前提で今資金を調達する、といった戦略が立てやすくなります。

資金使途の柔軟性

資金使途の柔軟性: 調達した資金の用途が原則自由で、事業運営上必要なあらゆる経費に充当できます。

銀行のプロパー融資だと用途を細かくヒアリングされることもありますが、不動産担保ローンは使途自由度が高いため​、設備投資から運転資金、他借入の返済まで包括的に活用できます。

不動産担保ローンを利用するデメリット

担保資産を失うリスク

返済不能に陥った場合、会社の重要な資産である土地・建物を失う可能性があります。

自社ビルや工場を競売で失えば、事業継続に重大な支障をきたす恐れがあり、賃貸に切り替えるにしてもコスト増となり、競争力低下や信用低下に直結します。

信用リスクの増大

企業がローン返済を延滞・契約不履行すれば、取引金融機関や取引先からの信用が大きく損なわれます。

銀行取引停止(いわゆる倒産扱い)には至らなくとも、今後新たな借入が難しくなったり、場合によっては信用不安から取引先が離れるリスクもあります。

特に中小企業では経営者個人の信用にも影響し、代表者保証を付けている場合は経営者個人の資産や信用まで失う結果になりかねません。

金利負担・費用負担

無担保の信用保証協会付き融資などに比べると金利が高めになる場合があります。

また、不動産評価費用や登記費用など初期費用も発生します。

保証協会付き融資では保証料が発生しますが、不動産担保ローンでも同様に諸費用がかかる点はコスト要因です。

資金調達コストとして金利+諸費用を事前に織り込む必要があります。

手続きと管理の煩雑さ

融資実行までに担保設定のための書類手続きや社内決裁プロセスが必要で、迅速さに欠ける場合があります。

また、借入後も担保不動産の維持管理(固定資産税の支払い、担保評価を下げないような保全)に気を配る必要があります。

担保提供中は金融機関の承諾なくその不動産を処分できず、自由度が制限されます。

借入依存への注意

不動産担保ローンで一時的に資金繰りが改善しても、本質的な収益力改善が伴わなければ根本解決にはなりません。

担保余力があるからと過剰な借入を続ければ、いずれ資産を食いつぶす結果になりかねません。

法人利用においては、借入が将来の利益創出に結びつくのか、返済計画が現実的かをよりシビアに見極める必要があります。

以上のように、法人が不動産担保ローンを活用することは両刃の剣です。

成長発展のための資金を調達する強力な手段となる一方、失敗したときのダメージも大きいため、メリットとデメリットを踏まえた慎重な経営判断が求められます。

Q. 資金用途の自由度はどの程度ありますか?

A. 資金用途の自由度は非常に高いと言えます。

法人向け不動産担保ローンの多くは、事業に関することであれば基本的に使途自由です。

設備投資、運転資金、他社債務の返済、在庫仕入れ、人件費の補填、季節的な資金需要への対応など、事業上生じるあらゆる費用に充当できます​。

金融機関によっては資金使途を申込時に申告させますが、「事業資金」であれば細目まで厳しく制限されることはあまりありません。

ただし、違法な用途(反社会的な取引や投機的目的など)には当然使えませんし、融資実行後に全く別の用途に使うと判明すれば契約違反となる可能性もあります。

例えば「設備資金」として借りたのに実際は事業とは無関係の個人的な投資に流用した、などは問題です。

とはいえ通常の事業活動の範囲内であれば、特定の用途に縛られることなく資金を融通できるのが不動産担保ローンの大きな魅力です。

一部の商品では資金使途を限定しているケースもあります。

例えば金融機関によっては「事業性資金のみ利用可」と明記しているものや、逆に「個人事業主は生活資金には使えない」などの制約があることもあります​。

法人の場合は基本的に事業目的に使う前提なのであまり気にする必要はありませんが、申し込み時に資金使途欄へ具体的な用途を記載し、それに沿った使い方をするのが望ましいです。

まとめると、法人向け不動産担保ローンの資金用途の自由度は高く、経営者の裁量で必要なところに資金を投下できます。

これは住宅ローンや設備資金ローンなど特定用途型の融資と比較して大きな利点です。

資金使途の報告義務も通常はありません。(融資後に使途証明を求められることもほとんどありません)

したがって、調達した資金を事業計画に沿って有効に活用し、返済原資となる収益を上げることに専念できる環境が整っています。

Q. 他の資金調達手段との比較は?(ビジネスローン・銀行融資など)

A. 法人が利用できる主な資金調達手段として、不動産担保ローン以外に無担保の事業者向けローン(ビジネスローン)や銀行からのプロパー融資、信用保証協会付き融資、さらには社債発行や増資などがあります。

ビジネスローン(無担保ローン)との比較

ビジネスローンはノンバンク系を中心に、担保・保証人不要で比較的少額(数百万~数千万円程度)を迅速に貸し付ける商品です。

審査が早く即日融資も可能な反面、金利は年10~18%前後と高めで、返済期間も数年程度と短めです。

これに対し不動産担保ローンは、担保提供の手間がある代わりに低金利(5~10%未満が多い)で​、融資額も大きく、返済期間も長期にできます​。

したがって、「急ぎで小口資金を調達したいならビジネスローン、大口資金を調達し資金繰りを安定させたいなら不動産担保ローン」といった使い分けになります。

また、総量規制(年収の1/3までという貸付制限)は事業目的ローンには適用されませんが、無担保ローンは審査が厳しく希望額が通らないこともあります。

その点、不動産担保ローンは担保価値次第では無担保では借りられない高額を借りられる強みがあります​。

ただ、融資実行まで時間がかかるため、緊急の資金ニーズには向かない点は留意が必要です。

銀行融資(プロパー融資)との比較

銀行からのプロパー融資とは、信用保証協会等を使わず銀行が自行の信用で貸し出す融資です。

銀行融資は金利が低く(都市銀行の中長期貸出金利は1~3%台など非常に有利)、融資期間も用途に応じて柔軟ですが、その分審査ハードルが高いです。

十分な業績や担保、保証人が要求され、審査に時間もかかります。

特に中小企業では無担保で銀行から多額を借りるのは難しく、結局信用保証協会の保証を付けて借りるケースが多くなります。

銀行が不動産を担保にプロパー融資をする場合、実質的には不動産担保ローンと同じ構図ですが、銀行はより厳格に企業の業績や信用を見ます。

銀行で断られた場合でも、不動産担保ローンなら借りられるケースがあるのはそのためです​。

一方で銀行融資が受けられるなら、金利や条件の点で銀行から借りるに越したことはありません。

つまり、銀行融資がベスト、次善策として不動産担保ローンという位置付けになります​。

信用保証協会付き融資との比較

信用保証協会付き融資は、中小企業が銀行から借りる際に公的機関である保証協会が保証人となる仕組みです。

無担保でも保証協会が保証してくれるため銀行も貸しやすく、金利も低め(年1~3%台)ですが、保証協会への保証料(年0.5~1%程度相当)がかかります。

また保証枠の範囲内(数億円程度が上限)でしか借りられず、担保に取れる不動産があっても評価は保証協会基準となります。

不動産担保ローンは保証料が不要で、保証枠に関係なく担保価値に応じて融資額を設定できます​。

すでに信用保証枠を使い切っている企業でも、不動産担保ローンなら追加で資金調達が可能です。

ただし保証付き融資ほど審査基準が平易というわけではなく、担保価値が最重視される点が異なります。

社債・増資など他の手段

不動産をお持ちの法人であれば、社債発行の担保に提供したり、社債ではなく社内預金的にオーナーから会社へ貸付する方法もあります。

しかし社債発行は手間や信用力の問題で中小企業には現実的でなく、オーナーからの貸付も結局自社の資金繰りに影響しないため意味が限定的です。

増資(新株発行による資金調達)は担保不要ですが株式の持分比率が変わるなど経営に影響します。

そうした点で、迅速かつ確実に資金を用意できる不動産担保ローンは、緊急時や成長投資の資金確保手段として重宝されます。

以上をまとめると、銀行融資(特に保証協会付き)は低コストだが借りにくい、ノンバンク無担保ローンは借りやすいが高コスト、その中間に不動産担保ローンが位置すると言えます。

不動産という経営資源を活用して資金調達力を高める選択肢として、不動産担保ローンは非常に有用ですが、他の手段とも比較検討し、最適な組み合わせで資金繰りを図ることが重要です。

Q. 返済できない場合の影響は?(信用リスク・担保処分)

A. 法人が不動産担保ローンの返済を滞らせてしまった場合、その影響は企業経営に重大なものとなります。

まず、担保不動産の処分は個人の場合と同様に避けられません。

一定期間の延滞が続くと金融機関から督促があり、それでも改善しなければ契約上の期限の利益を喪失し、一括返済が求められます。

それに応じられなければ、担保にとられた不動産について競売開始の申し立てがなされ、裁判所を通じて競売手続きに入ります​。

競売となれば、会社はその不動産を失い、オフィスや工場であれば立ち退きを余儀なくされます。

事業継続のために必要不可欠な資産を失うことで、事業停止・縮小に追い込まれる可能性が高いです。

次に、信用面のダメージがあります。

銀行取引では、借入金の延滞や不良債務化は企業の信用格付けを大幅に低下させ、他の融資取引にも影響を及ぼします。

一度でも貸倒れを起こした企業は、以後金融機関から新規融資を受けることが極めて難しくなります。

手形の不渡りを出せば「銀行取引停止処分」となりますが、ローンの場合も保証協会経由で代位弁済が発生したり、債務整理に至った場合には実質的な倒産と見なされます。

加えて、取引先にも信用不安が広がり、場合によっては受注キャンセルや取引条件の厳格化(前払い要求など)に繋がる恐れもあります。

つまり、返済不能は企業の存続を危うくする信用リスクを伴います。

また、多くの場合中小企業の融資には経営者の個人保証が付いています。

返済できなくなり競売で担保処分されても、債務が残れば経営者個人に請求が及びます。

経営者は個人財産で残債を弁済しなければならず、連帯保証人となっている場合は自己破産も検討しなければならない事態となりかねません。

会社だけでなく、経営者個人の生活基盤まで崩れてしまう可能性があります。

競売を回避する策としては、個人の場合と同じく任意売却やリスケジュール(返済条件緩和)の交渉があります。

事業に回復の見込みがあるなら、金融機関と協議して返済期間の延長や一時利息だけ支払う猶予期間を設けてもらう等の措置を引き出せる可能性があります。

また、不動産を自社で売却処分してローンを清算する任意売却も選択肢です​。

競売より高値で売れる可能性があるため、残債圧縮に有効です。

ただし任意売却でも結局事業用資産を失う点は同じです。

いずれにせよ、法人が不動産担保ローンを返済できなくなることは最悪の事態です。

企業の信用失墜、資産喪失、場合によっては倒産・廃業に直結します。

そうならないためにも、資金繰りが厳しくなった段階で早めに金融機関に相談し、リスケや追加融資による立て直し策を講じることが重要です。

金融機関としても、即座に競売に踏み切るより事業再生を支援した方が結果的に回収に有利なケースもあるため、真摯に再建計画を示せば協力が得られる場合もあります。

経営者は責任を持って早期に手を打ち、返済不能という事態を回避する努力を尽くすことが求められます。

Q. おすすめの金融機関やサービスはありますか?(法人向け)

A. 法人向けの不動産担保ローンを提供する金融機関はいくつもありますが、その中でも評判が良く利用しやすいサービスをいくつかご紹介します。

セゾンファンデックス(事業者向け不動産担保ローン)

前述したとおり、クレディセゾン系の会社で、中小企業向けの不動産担保ローンに強みがあります。

銀行では難しい案件も積極的に対応しており​、赤字決算や既存借入が多い場合でも担保評価次第で柔軟に融資を検討してくれます​。

全国対応で来店不要の手続きも可能です。

最短1週間程度で融資実行とスピードも速く、事業機会を逃さず資金調達したい企業におすすめです。

実質年利は変動2.9%~、固定4.5%~と比較的低めで、大口融資にも対応しています​。

SBIエステートファイナンス(不動産担保ローン)

SBIグループの不動産金融会社で、法人向けの実績も豊富です。

特徴はスピード審査・融資で、仮審査回答が最短即日、融資実行も最短翌日と非常に迅速です​。

専任担当者が付いて契約までサポートしてくれるため、初めての融資でも安心感があり、年間相談件数5,000件超という実績は信頼の証と言えるでしょう​。

金利は案件ごとの提示ですが、比較的良心的と評判です。SBIグループというブランド力もあり、安心して相談できる先です。

AGビジネスサポート(アイフルグループ)

消費者金融大手アイフルの事業者金融部門で、中小企業向けの不動産担保ローンを提供しています。

無担保のビジネスローンでは対応が難しい場合でも、担保があれば前向きに検討してくれるとされています。

アイフルグループのノウハウで審査対応も早く、WEBから仮申込みが可能です。

貸金業者として長年の実績があり、全国対応しています。

金利は5~15%程度と開きがありますが、信用力次第では10%以下も期待できます​。

アサックス(事業者向けローン)

不動産担保融資を専門とする独立系ノンバンクで、創業以来の豊富な融資実績があり、事業者向け・不動産業者向けなど多彩な商品を展開しています。

東京証券取引所プライム市場上場企業で信頼性も高く、二番抵当や地方物件など他社が嫌がる案件にも取り組む柔軟性が評価されています。

融資スピードも速く、急ぎの資金需要に応えてくれるでしょう。

自社HPで金利や条件を開示しており、透明性のある運営をしています。

三井住友トラスト・ローン&ファイナンス(不動産活用ローン)

三井住友信託銀行グループのローン専門会社で、事業者向けに「不動産活用ローン(ビジネスコース)」という商品を提供しています​。

信託銀行系列だけあって低金利・好条件が魅力で、団信加入も可能です。

融資上限額が高く、信託銀行の厳格な審査を通過できる優良企業には最適な選択肢です。

逆に言えば審査基準は厳しめですが、そのぶん提示される条件は有利でしょう。

銀行並みの条件で借りたい方は検討する価値があります。

その他の選択肢

地方銀行・信用金庫でも、不動産を担保に取る事業者向け融資を行っています。

取引のある金融機関があれば、まずは相談してみるのが良いでしょう。

公的金融機関である日本政策金融公庫も、不動産担保を要求するケースは少ないですが、場合によっては担保提供すれば希望額を借りられる可能性があります。

また、最近では不動産クラウドファンディングや私募債など、新しい資金調達手段も登場していますが、緊急性・確実性という点では従来型の融資に軍配が上がります。

最後に、法人向け不動産担保ローンを選ぶ際は「自社の状況に合った融資先か」を見極めることが大切です。

例えば業績好調で信用力が高い会社ならメガバンク系や信託系ローンがより低利で有利ですし、業績に不安があるならノンバンク系の柔軟な審査に頼る方が現実的です​。

それぞれの金融機関に強みがありますので、必要に応じて複数社に相談し、提示条件を比較して最適なパートナーを見つけましょう。